生産技術の具体的な仕事内容を解説(現役生産技術部員の「生の声」)

転職

生産技術の具体的な仕事内容

 

<strong>あつザウルス</strong>
あつザウルス

生産技術は「忙しい」とよく聞くけど  
具体的にどんな仕事なの?

 

そんな疑問に、自動車部品メーカー2社で

生産技術としてキャリアを積んだ私が答えます。

 

【本記事の内容】

 (生産技術について)

・具体的な仕事内容

・必要な知識・大変さ

・向いている人

 

この記事は

現役生産技術部員の「生の声」になります。

未経験の方が予測で書く記事とは異なり、実際の経験をもとに例を出しながら分かりやすく進めていくので

仕事内容をイメージしやすいと思います。

 

「生産技術」について具体的な仕事内容など、深くまで知ることができるでしょう!

 

それではさっそくみていきましょう!

 

工法開発

新たな工法の開発です。

いきなり「開発」と言われてもイメージがわかないと思うので

具体例を挙げて説明します。

 

例① サイクルタイム低減

ある製品の加熱処理時間の時短を検討します。今まで100秒処理していた工程で処理時間を1秒でも低減させれれば、生産性が上がりますよね。この時短条件を実現させるための業務に取り組むのが「工法開発」です。

事前の検証より処理時間を100秒→80秒程度まで低減できるのではないか?というところまで分かったとすると

当然トライが必須ですのでサンプルの作成からスタートです。

まずトライ条件ですが

私なら条件を100秒 90秒 80秒 70秒 60秒 

位で振り分けて各n=30でデータ取得をすると思います。

 

80秒だけとれば良くね?と思った方は、まだまだ初心者です(笑)

100秒サンプルの理由:そもそも時短条件が実現可能となる為に必要なことを考えると分かります。

 

新しい工法を認めてもらうには、その工法でできる製品が既存品と同等でなくてはいけません。

その為、比較用としてこの100秒サンプルは必要になります。

 

90秒サンプルの理由:目標の80秒がNGとなった場合10秒でも時短できる可能性を模索するという意味合い。

 

検討→計画→サンプル作成→評価→結果まとめ→上位報告→顧客報告→承認

といった流れで新しい工法をどんどん織り込んでいき会社の利益率アップに貢献します。

  

 

例② ロボット導入

他にも、人でやっている工程にロボット導入の検討をする場合などは人件費とロボット導入費を比較して

「何年で設備代(ロボット代)を回収できるかなど細かい金銭の計算があります。」

・現状の人件費は?

・ロボットの導入費用は?

→ここから1日当たり〇〇円の人件費を減らせます

→ロボットの購入費は〇〇年で回収できます

→以降利益

 

「工法開発」は、やみくもに新しい工法を開発するのではなく、その実現性や検討した工法が実現した場合に具体的にどれくらいの利益がでるのかを明確に調べて確認してから取り組みます。

  

生産準備

その名の通り製品を生産できるようにする為の準備をします。

新設・増設関わらず量産予定製品の準備担当です。

業務の流れとしては

検討→DR→検討→DR→量産→初期管理

※DR(デザインレビュー)は簡単に言うと関係部署で集まって問題点を洗い出す→改善を繰り返して

量産までに完璧な状態にもっていくというものです。

会社によって回数や細かい方法は異なります。

 

検討の段階で製品販売価格についての話などもあり、工程でかかる費用は生産技術部が詳しいので

普段は営業が対応してくれているお客さん、調達が対応してくれている構成品(材料)の仕入れ先などとも打ち合わせをすることが多いです。

 

製品検討会

お客さんから要望の製品について各部署と検討会を実施します。

生産技術での議題としては

既存設備での流動可否

既存生産能力で対応可否

客先要求品質確保の可否

他、問題点

 

要は、全く新しいラインの新設なのか、増設なのか、既存ラインの改造が必要なのか、品質は確保できるのか、条件出しのみの対応可能なのか。

などを検討します。

 

設備検討・導入

「生産技術」が最も他社と関わりを持つことになるのがこの「設備」関係です。

設備導入が必要となった場合は商社、メーカーと仕様の検討をします。

すでに実績のある同様のライン増設であれば、何かしらレベルアップさせて納入させる為に既存ラインでの問題点などを洗い出しましょう。

※生産技術として同ラインの増設となると細かいことでもいいので、何かしらのレベルアップは当たり前だと思ってください。

例えば機構を変えることで同生産能力だが価格は安いなど。些細なことでもレベルアップを!

同時にレイアウト検討や墨出し(設備を置く位置をマーキング)も忘れずに。

 

また、設備導入の際

特に注意しなければならないのが「安全」です。

非常停止はキノコ型ボタン。エリアセンサーのピッチや設備の自動起動は両手でスイッチを押さないと起動しないなど、事故を起こさない仕組みづくりが重要です。

 

キノコ型ボタン

→非常停止はいざというときに押しやすいキノコ型

センサーピッチ

→エリアセンサーのピッチは人間の指でもしっかり反応できるピッチにする。

両手起動

→両手移動で設備の挟まれを予防

この辺に関しては設備導入のたびに確認することなので経験を積むと、確認すべきところが分かってきます。

 

重要な内容は打ち合わせ時に、しっかりとメーカーに話をして間違った認識がないか十分確認をしておくことが大切です。

その場はもちろんですが発行される議事録にも必ず目を通し、認識違いがあればすぐに確認・訂正しましょう。

※間違った内容が記載された議事録が残ってしまうと、価格など揉め事の要因になるので議事録は発行当日に確認する習慣を!

 

「安全」は他の何よりも優先

「安全」が二の次だという会社は聞いたことありません(笑)

 

次に「品質」です。

「生産技術」としては工程内の不良発生を防ぐ仕組みを検討します。

例えば、材料誤投入などの誤作業が起こった時に、設備的に自動起動できなくさせるなど「ポカヨケ」の機能の追加を検討。

←材料投入時の間違い防止の為に、QRコード承認方式にするなど。

「トラブル時は人じゃなくて仕組みを責めろ」と言うように

誤作業が起きてしまった時は設備を起動できなくし不良品の流出を防ぐ

などの仕組みを考えることも生産技術の仕事の1つです。

 

「安全」「品質」ともにレベルアップや改善をしようとある程度の設備知識は必要となります。

細かい部分は要望をすればメーカーが対応してくれますが、自分が担当しているラインの設備に関してはある程度の知識は持っておくべきです。←生産技術として経験を積んでいれば、知らぬ間に経験値として蓄積されていきますが。。。

 

条件出し(サンプル作成)

生産の「核」となる部分です。

コツは実績のある類似品を参考にすることです。

製品によって項目は多種多様ですが

お客さんの要望に沿った製品となるように条件を選定します。

 

ここでのポイントは規格の「狙い値」です。

製品には規格があり公差があります。(上限・下限)

条件出しの際は

各規格が中央値になるまで調整しましょう。

規格ドンピシャは難しいと思うので上下限を狭めて確認するのが良いでしょう(規格が±5なら条件出しは±3でやるなど)

※量産後も社内管理は厳しく!

 

サンプル検査・評価

設備導入・条件出しが完了したら「確からしさ」を証明するために

サンプルの作成→検査・評価をし工程能力を出すことで問題なきエビデンス(証拠)にします。

評価は客先から提出される「検査指示書・製品企画書」(呼び方はいろいろあります)に沿って行います。

 

初期管理

準備だけが仕事ではありません。

量産が始まってすぐは初期管理期間として、通常よりも製品の定期測定の数や項目を増やして対応します。

この期間は、会社にもよりますがだいたい3ヶ月ほどで問題なきことが確認出来たら通常の量産品へ移行します。

この期間は製品だけでなく設備にも異常がないかマメにチェックしましょう。

 

海外ライン

海外の子会社などでライン立上げを行う際に、はじめに国内で設備の調整・試運転をしてから海外へ持っていくことが多いです。

国内と同様のステップ+現地確認になります。

基本的には現地SVとして最後まで面倒を見ますが、リモートで実施することもあります。

「生産技術」の海外業務は赴任だと海外拠点の社員にノウハウの伝授などがメインですが、出張ベースとなると大半がライン立上げなどの設備調整関連になると思われます。

 

工程改善

既存の工程を改善し会社の利益アップに貢献します。

不良改善

工程内で不良が発生した場合は、原因を究明し、解決しなければなりません。

具体的にどのように原因究明をしていくかというと

不良の内容から発生する可能性のある工程を洗い出し再現トライを実施することで、発生源を見つけ出します。

その後、改善策を検討しますが、ここでもトライを行うことがあります。

案がいくつも出た時にすべて確認して1番良い内容を採用するためです。

 

トライの実施に伴い特注のトライ用治具が必要となることがあるので

作図・図面読解能力やCADのスキルがあると大変便利です。

簡単な幾何公差程度の知識までは取り入れておきましょう。

不良発生→原因究明→改善→効果確認 のステップです。

原価低減

会社の利益を上げる方法は売上を増加させる以外に

「原価低減」があります。

具体例を挙げます。

2人で作業している工程を工夫して1人にする

1人が運搬、もう1人が検査という2人作業の工程を

CT(サイクルタイム)が目標値に間に合うので1人作業にします!

→1人分の工数が削減できます。

★ 不要な工程の廃止

中間検査と最終検査で確認項目の重複があった場合は

最終検査のみで可能と判断して中間検査を廃止する!

→中間検査にかかる工数が削減できます。

 

原価を低減させる改善をすることも会社にとって重要です。

 

現場の声を聞く

不良が発生しなくても常に作業者(現場)から「やりにくい」「もっとこうしてほしい」などの声を吸い上げ、実現性があるものなら改善して生産性を向上させる。

といったことも生産技術の重要な役割の1つです。

 

資料作成

生産技術が作成しなければならない資料は多数あります。

・条件表

→ 製品によって変わる設備の条件(設定値)を明確にしたもの。

・作業指示書

→ 工程の作業順序を明確に記載したもの。

点検指示書

→ 設備の点検方法を明確に記載したもの。

・検査指示書

→ 製品の検査方法を明確に記載したもの。

・QC工程表

→ 原材料の入荷から完成して出荷するまでの工程の流れを記載したもの。

→ 不具合発生時の調査時や新人に工程を説明する時に使用できますし、最近では仕入れ先にQC工程表の提出を求める企業もあります。

・FMEA

→ 設計の段階で問題点を洗い出しておくことで不具合を未然に防ぐのが目的です。

・設備仕様書

→ 設備導入時にメーカーへ送付する設備の詳細などを記載したもの。

・トライ計画

→ トライの内容や日程を明確にしたものです。

・検証結果

→ トライなどの検証結果をまとめたもので、内容に応じて表やグラフにまとめることが望ましいです。

他にも会社によって上記資料がさらに細分化されていたり、原価関係の資料も生産技術が対応したりとさまざまです。

 

 

トラブル対応

工場にトラブルはつきものです。

品質不具合、設備故障、怪我など。

忙しいときに限って携帯がよく鳴る。それが生産技術です。

品質保証や保全などの他部署と連携を取りながら柔軟に解決することが必要となりますので

良好な人間関係の構築は大切です。

 

生産技術に必要な知識・資格

業務の中であったら良いと思える知識と資格の紹介です。

ちなみに私が所持していて、業務内で役に立ったと感じた資格は

製図関連の国家試験2級

QC検定3級

です。

資格で表すのは難しいので「知識」の表現で箇条書きすると

 

・図面関連

→ 製品図面はもちろん、設備図面もある程度の読解力は必要となります。

あわよくば、

電気関連の回路図面まで読解したいです。

設備関連

→ 「安全」の知識はもちろん

油圧・空圧やセンサーの知識があると特注で設備を

導入する際に役立ちます。

Excel関連

→ 資料作成やデータまとめの際に必ずと言っていいほど使用しますので

幅広い関数の知識やあまり知られていない便利な機能の知識があると業務効率が上がります。

・QC(品質)関連

→ ライン立上げ時の品質確認の時にQCの知識は必須となります。

・語学

→ 特に英語です。苦手だと海外案件の時

苦労するかも。

 

この中でも英語力は昇格・昇進の条件のひとつとして採用されていることがあり

社員の英語力の見極めにTOEICの点数を採用する企業が近年増えてきています。

仕事はできるのにTOEICがネックで出世できない。。なんてこともある時代です。

それくらい語学力が重宝される時代なんですね。

 

生産技術の「つらさ」

「休日出勤・残業」

生産技術ってこのイメージあるんじゃないでしょうか。

休日出勤

ただこれも、やみくもに休日に出勤しているわけではないです。

検証1つにしても量産の設備で確認する際、設備が止まっていないと確認できないですよね。

では問題

Q.設備が止まっている日はいつでしょう

→休日!

というわけで、やむおえず休日に出勤して確認をしています。

 

残業

残業をせざるおえないことが多いです。

理由は「納期」です。

ライン立上げは決して自分のペ~スで~なんてできないです。

案件の最初の段階で生産管理にガチガチに日程組まれます(笑)

基本的に後ろの日程はほぼ延びないです。

※実際生産管理も多少は余裕をもって日程組むはずですが、ギリギリまで納期は伸ばしてくれないことが多いです。

なので決められている日程に沿って、間に合うように業務を進めなければなりません。

 

1番の問題が「想定外のトラブル」です。

私の経験だと設備トラブルが挙げられますがこいつがやっかい!

設備がいつ直るかなんて正直何年やっても分からないですよ(笑)

経験が長いと、早く設備復帰できるようになるというのはたしかにそうですが。。。

そんな設備の復帰作業を決まられた納期までにと考えると、どうしても休日出勤残業になってしまいます。

 

・トラブルが多く中々予定通りに仕事が進まないのに
 納期は基本STAY(延びない)

・業務の終わりがはっきり見えていないのに
 納期は固定。

 

終わりのはっきり見えないライン立上げをしながら、既存設備に不具合があったら対応しないといけないです。

また、作成が必要な資料も多くて。。。

 

「これ納期間に合わないかも。。。」

このプレッシャーがあるのが生産技術の苦しいところです。

  

生産技術に向いている人

実際に業務を行っていく中で、私がこんな人が「生産技術」に向いてるなぁと思いました。

 

コミュニケーション能力が高い

どの職種に関しても仕事を進めやすくするために重要な能力です。

報告などアウトプットが上手くできるかどうかは「出世」にも関わります。

他部署やメーカー・商社に遠慮なく意見が言えたり、上位報告が上手かったり。

 

現場とのコミュニケーションでは

設備の借用やデータ取得のお手伝いのお願いなどが気安くできる関係の構築ができると仕事を進めやすくなります。

 

発送力が豊か

生産技術は答えのない仕事が多いです。そんな時に必要なのが「発想力」です。

設備レイアウト検討時に、設備の設置向きを変更してなんとかエリア内に収めたり。

センサーひとつにしても型式や設置位置がありますし、カタログ機にない完全な一品ものをゼロから発注することもあります。

 

要所で几帳面

「要所で几帳面」

これはまた難しい(笑)

自分が結構大雑把な性格のせいでミスをしてしまうことが多いので「几帳面さ」が必要なことは重々承知していますが

業務量が多い分、内容によってはある程度大雑把に業務をさばいていくことも重要です。

 

要領よく優先度が「低」の業務などをさらっと50%程度でさばく大雑把さは必要だと思います。

几帳面だと「確実に」の精神で

優先度関係なしにすべての業務に100%の力で取り組むと思いますが疲れちゃいますよ(笑)

 

基本的な性格は大雑把だけども「要所で几帳面」な人が職種関係なく1番効率が良い方だと思うので目指しましょう(笑)

では問題の「生産技術」で几帳面になるべきポイントですが

 

①「検証」

検証の条件に漏れがあると大きな痛手になる可能性があります。

※材料が不足など

そのため入念な確認で、ミスを起こさないような心掛けが必要です。

また、設備の条件を触って検証を行う場合は条件戻しは必須です。

 

現場の担当者では設定できないパスワード付き裏画面の内容を変更することもあるので

条件戻しを失念すると、どんどん違う条件で製品が生産されることになるので大事件になる可能性があります。

 

②「データまとめ」

検証結果を図やグラフ・表を使ってまとめますが、これも見やすい資料を意識して取り組む必要があります。上位報告があるものは尚更です。

例えば

上位に検証条件の「A」と「B」の比較について2人が報告しています。

大雑把くんの報告

「A」のが「B」より重かったです。でも両方とも規格内でしたよ。

 

几帳面くんの報告

「A」のが「B」より10g重かったです。

具体的に

規格:30±15gに対して

「A」は35g 「B」は25gでしたので規格内で推移はしています。

重さに差が出た要因としては製品外観は確認したところ問題がなかったため、材料切り出し装置のバラつきが考えられます。本日中に装置内の履歴を確認して再度報告します。

 

どっちの報告が良いですか?

私が上司なら大雑把くんには数値まとめて再報告って言いますね。

←なぜか?

「規格内」だったと言っているが極端な話

もし 規格:30±15g に対して44.9gだった場合は、n増しすると規格外になる懸念がある。

10gの差があるが異物付着不良の懸念がある。

  

上記の2人の報告、何が違うのか?

→それは具体的な数値を提示しているかどうかです。

 

エビデンス(証拠・根拠)は数値で示す

 

これめちゃくちゃ大事なことだと思います。

 

要は

「けっこう大きい」など

定量的な表現をやめようということです。 

 

具体的にどれくらいなのかを%などの数値で表す。

これが重要です。

実践できていない方はこれを機に、これから意識していきましょう!

 

ちなみに私はコミュニケーション能力と発想力は並。どちらかと言えば大雑把な性格ですが何とか「生産技術」の業務に従事していますので「根性とやる気」があれば誰でもできます!

忙しいですがその分「やりがい」を感じることも多いですので

仕事に「やりがい」を求める人にもおすすめですね。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

「生産技術」の仕事内容について

理解が深まったかと思います。

 

「生産技術の業務量多すぎるよ!」と感じたと思いますが分担してチームで仕事を進めていくのが生産技術の良いところですので

これから「生産技術」として働く人も安心してください。

 

また、仕事にやりがいを感じたい。自分の自由な発想力を最大限に生かしたいなど

「生産技術」に興味のある方は

ぜひ、挑戦してみてください!!

求人は多数ありますので!

 

みなさんが理想のキャリアを描けること願っています。

 

それでは、このへんで。

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