入社予定の会社に労働組合がないんだが…
労働組合がない=ブラック企業なの?
そんな疑問に
労働組合のある大手3社で勤務経験がある私が答えます。
会社の労働組合の有無を気にしない人も多いかと思いますが
実際に労働組合ってどんな場面で活躍しているのでしょうか。
大企業の多くで労働組合が結成されていることから
組合のある意味はよく分からなくても
ない会社は不安に感じる。
という人がいても不思議ではありません。
今回はそんな労働組合について
知っておくと
今後の就活・転職活動の際にためになる内容を
労働組合のある大手3社で勤務経験のある私が
実体験を踏まえながら解説していきます。
それではみていきましょう。
労働組合とは?簡単に
労働環境をよりよいものにするという目的で
会社ごとに社員が結成しています。
※労働組合はすべての会社にあるわけではありません。
賃上げの要求などを会社にする際は個人よりも集団のほうが力がありますよね。
簡単に言うと
みんなで力を合わせて労働環境をよくしよう!
というのが労働組合です。
会社ごとの労働組合は
さらに規模の大きい
各産業にある労働組合にも加盟して労働環境の向上に努めています。
世間的に大企業と呼ばれる会社には、高い確率で労働組合が存在します。
(私がキャリアを積んだ労働組合があった3社はすべて従業員1000人以上でした)
労働組合の活動
「春闘」という言葉をご存じでしょうか。
「春季闘争」の略のことです。
春になると
〇〇労働組合 ボーナス〇.〇ヶ月分要求へ
といったニュースを見かけると思いますが
これが「春闘」と呼ばれる労働組合の活動のひとつです。
賞与と合わせて基本給の賃上げや
会社の制度の改善などを要求して
組合員の生活が少しでも豊かになるような活動を
会社にしています。
要求内容については
組合の代表者が独断で決めるものではありません。
全組合員にアンケートをとって
その結果をもとに要求内容は決定します。
他にも
活動報告を冊子にまとめて社員に展開しています。
春闘の時期になると賃金の要求内容や妥結結果などの
ビラ配りをしています。
組合員について
組合員が会社に改善を要求したいことは
賃金や休日
福利厚生についてなど
人それぞれです。
私の場合は
会社が完全週休2日なので土日休みだったものの
祝日は出勤日だったので
ワークライフバランスのさらなる充実を願って祝日も休みにしてほしい!
とずっと思っていました。
こういった意見を会社側に言う権利が私たち雇用者側にあります。
あくまで言える環境があるだけですが
この環境があるだけでも◎
組合員の条件
労働組合のある会社に勤務する社員は
基本的にその会社の組合員となるわけですが
組合員の対象者から外れるパターンがあります。
それは昇格で会社の経営陣側になった場合。
課長なのか部長なのか
なんの役職から経営陣側になるかは会社によって異なりますが
昇格と同時に組合員からは外れます。
組合員の意見
組合員は組合事務所から依頼の来るアンケートで会社へ思いを伝えることができます。
自分の希望する賞与の月数だったり
改善してほしい点を記入して提出します。
アンケートには頑張ったこと・会社に評価してほしいこと
を具体的に記入する欄もあり
ここに組合員が記入した内容が
労働組合の代表が会社と協議する際に重要な材料になります。
簡単に言うと
具体的にこんなことをがんばった!
だから要求に満額回答してください!
といった感じです。
私が経験した3社とも
アンケートのフォーマットは若干異なりますが
こういった取り組みがありました。
労働組合がないとブラック企業?
労働組合がないと給料が上がらないという訳ではないですし
必ずしも福利厚生が充実していないという訳ではないので
労働組合がない=ブラック企業という考え方は✕
近年では実力主義で
パフォーマンス(評価)により昇給額に差をつける会社が増えており
たとえ組合があっても評価次第では減給がありえる
制度を導入している会社もあります。
また
労働組合がない大企業もありますが
極端な話
社員と会社側(経営陣側)で良好な関係が築けていれば何の問題もありません。
要求することがないくらい良い労働環境なら組合なんて必要ないので。
ただし
雇用の「安心感」を考えるとあったほうが良いかなと。
「安心感」といっても労働組合があるから100%雇用が守られるとは限りませんが…。
会社ごとの組合
会社へ意見を言いやすい場を提供する
という点で労働組合は力を発揮しています。
しかし
実際に労働組合がある会社に勤めている人たちで
組合の必要性を
あまり感じないという人も多いのではないでしょうか。
私もそのひとりです。
組合は会社ごとによって強い/弱いが顕著に表れます。
毎年のように
要求に対する満額回答を会社から引き出す
強い組合もあれば
満額回答など夢の話で
出来レースのように形だけ活動しているように
感じてしまう組合もあります。
後者の場合は社員として組合の必要性をあまり実感できないかもしれません。
最悪ストライキも考えられるというものの、実行するのは考えにくいです。
私も新卒で入社した会社に組合はありましたが
要求も会社規模の割に控えめだし、さらには満額回答もらえないし…
アンケートなんて段々
「どうせ書いたところで何にも変わらないじゃん」と
適当に書いていました(笑)
一方
2社目の組合は本当に強くて
基本的に
満足できる水準の要求&満額回答を引き出す
毎月月給から組合の活動費が給与天引き
されていましたが(月給の何%など会社ごとに決まっている)
1社目の時は無駄でしかないと思っていました。
実際に組合がいないとどうなるのかが分からないので
無駄は言い過ぎかもしれませんが…(笑)
そう言いたくなるくらい形だけの組織の印象でした。
春闘近くになると
アンケートと
今の日本の情勢は~/世界の情勢は~我々の業界は~/
と毎年同じようなことが書かれたビラが配られた後
組合の要求金額が発表されます
賃上げ〇〇円!
賞与〇.〇ヶ月!
そして
途中経過の報告(要求書提出後の会社からの最初の反応)
ここで
組合の賃金交渉が出来レースになってしまっている会社は
気持ちが分かるが、到底答えられない。
しかし最大限の回答はしたいと思う。といった
←毎年コピーペーストしたかのような回答です。
そして回答結果はもちろん要求以下。
それに対し
組合として満額回答は得られなかったが
総合的に判断して会社側は最大限の回答をしていると判断。
よって妥結した。
の繰り返しです。
毎年大げさに活動している感を出して
要求から少し低い金額で妥結
この繰り返しの出来レースを見ていると
正直組合って必要?と思っている人は多いと思います。
メリット・デメリット
メリット・デメリットをまとめたので、みてみましょう。
メリット
・雇用が安定しやすい
・給与が安定しやすい
・自分の意見を会社に伝えやすい環境がある
・組合のイベントで知り合いが増える
など
デメリット
・業務外で組合の活動がある(休日も)
・毎月活動費が取られる(月給の何%会社ごとに決まっている)
など
デメリットの数は少ないものの重みがある内容ですね(笑)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
まとめです。
をしている集団
・労働組合がないからブラック企業
という訳ではない
・勤務する会社の労働組合の強さによって
必要性の感じ方が大きく異なる
募集要項に労働組合の有無を記載することはまずないので
世間的にも気にしている人は少数です。
労働組合がない=待遇が悪いという訳ではないので
就活・転職活動時に労働組合の有無はそこまで気にする必要はないですが
迷ったときの判断材料のひとつとして使う程度で良いかなと。
労働組合について理解が深まったかと思います。
みなさんが理想のキャリアプランを描けることを願っています。
それではこのへんで。
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